●人間は環境に関係なく、ほぼ36〜37℃に保たれる
●個人差が大きく、一概に『正常値』は決められない
●一般的に、乳幼児は高く、高齢者は低い傾向がある
(16歳前後で大人型に変わる⇒年齢差)
●同一人でも午前6〜7時頃が最も低く、午後3〜4時頃が最も高くなるという、
『日内変動』がある
●女性の性周期により、生理中は低くなる
(もともと男性より少し高めの人が多い⇒男女差)
体温調節中枢は視床下部の後領域にある。
この中枢自体は温寒を感じないが、体温を感じる皮膚などの受容器からの情報を集め、
適切な命令を効果器に送って調節する。
自分では何とも制御できない神経⇒自律神経
①全身の皮膚の血管収縮
②立毛(トリ肌)
③熱生産の増加
低体温
口腔内体温が35℃未満(腋窩だと34.8℃未満)
甲状腺機能低下症・下垂体機能不全症・アジソン氏病
慢性消耗性疾患・etc. ⇒持続的な低体温症
平均体温が1℃下がる⇒免疫力は約37%下がる
平均体温が1℃上がる⇒免疫力は約60%活性化
風邪をひいた時、熱がでるのは、体温を上げて免疫力を上げようとする防衛反応
人体は、組織や臓器に害を及ぼす、ほとんど全ての微生物や毒物に対しての、
抵抗力を持っている。この『能力』を『免疫』という。
①先天免疫(自然治癒力)
②獲得免疫
血圧、脈拍、呼吸、体温⇒意識
低体温だと・・・
骨格筋 | 59% |
呼吸筋 | 9% |
肝臓 | 22% |
心臓 | 4% |
腎臓 |
4% |
その他 | 2% |
●人は安静時、体重1kgあたり1時間に約1Kcalの熱を産出し、
これを基礎代謝と呼ぶ。(1Kcal/kg/h)
●熱は食事などを摂ることで、栄養分(糖・蛋白質・脂肪)が
代謝されてエネルギーが発生することによる。
●エネルギーは機械的・電気的・化学的な用途に約30%程が使われるが、
残りは熱として放散される。
70kgの平均体重男性で、約2,000Kcal/日が必要
①多くの部分はそのまま熱となる《約70%》
②自由エネルギーとなって仕事をする《約30%》
“人間の体には、増えすぎた活性酸素を解毒するために、
スーパーオキシドディスムターゼ(SOD)やカタラーゼ(catalase)
といった活性酸素を解毒する酵素が備わっています。
こうした「抗酸化酵素」がきちんと働くことができれば、
少々活性酸素が増えてもきれいに解毒してくれるので、
病気になることはありません。
低体温は、その大切な抗酸化酵素の働きを悪くしてしまうのです。
つまり低体温の人は、体内の活性酸素が増えやすいうえ、
活性酸素を解毒する酵素の働きが弱い状態にあるということです。
血流障害と酵素活性の低下は、健康を考えるうえで最悪の組み合わせです。
なぜならその状態では、体の機能すべてが低下してしまうからです。
体の機能が低下するということは、たんに病気になりやすいということにとどまらず、
免疫システムに誤作動が生じ、新陳代謝も低下するということです。
「酸化=老化」と考えられるのもこのためです。
低体温で体にいいことは一つもない。
これは、人間という生き物にとって、いわば自然の摂理なのです。”
体温を上げると健康になる 齋藤真嗣 サンマーク文庫